【ノウハウ】003 新規事業(イノベーション)の種類を認知してアイデアの幅を広げよう
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【ノウハウ】003 新規事業(イノベーション)の種類を認知してアイデアの幅を広げよう

こんにちは、プランナーのウメミヤです。

コロナウイルスの猛威が続き、再び緊急事態宣言も発令され、リモートワークがさらに加速するなか、新規事業担当部署だけでなく、既存事業部署でも新たな取り組みや仕掛けがさらに求められているかと思います。

そんなときに大切なのが、自分たちがどのような「型」のイノベーションに取り組むのかという認識を、しっかり関係者の中で共有すること。そして、それぞれの型に適したやり方があるということを理解することです。

6種類のイノベーションとは…?

BASEQでは、イノベーションを6つの型に分けて整理していますので、今回はそれをご紹介します。

① ブルーオーシャン型
ゼロから全くの未開拓市場をつくるパターンです。
ゼロから市場をつくるということは、そもそも何が解決すべき課題なのか、という問いすら存在しないところからスタートするということです。例えばFacebook。それまで誰もつくっていない、考えてもいないものをマーク・ザッカーバーグが突如として始めたことで、誕生した巨大市場です。しかも最初は、ハーバード大学の学生の容姿を品評するためのサイトからスタートしています。
ブルーオーシャン型のイノベーションは、このように常識的には疑わざるを得ないような奇想天外なアイディアでも、とりあえず走り始めてしまうような人物の存在が不可欠。つまり、尖った起業家やスタートアップの専売特許とも言うべきで、大手企業の内部から生み出そうとするのは、人材や承認フローを考えると実際には難しいのではないかと考えます。

② 注目市場チャレンジ型(オープンイノベーション型)
ブルーオーシャン型がまったくのゼロからのスタートだったのに対し、注目市場チャレンジ型はもう一段、具体化/具現化が進んだ市場に対するチャレンジになります。
ここでもカギになるのはベンチャー企業の存在です。ベンチャー企業によって少しずつ開拓されつつあるが、大手企業がまだ発見できていない(取り組めていない)市場に、そのベンチャー企業と連携して進出するという手法です。
ベンチャー企業への出資や協業などが具体的なアクションになりますが、大事なのはベンチャー企業と連携するために大企業として何ができるか、という視点です。大手企業が持っているがベンチャー企業に欠けているモノ/コトを提供して一緒に進む、動きを加速するという考え方が必要で、そのためには大手企業の持っているリソースをいかに活用できるかが重要な要素になります。

③ リプレイス型
大手企業が自ら築いてきた既存市場では本来、その大手企業がその市場をもっとも熟知していると言えます。であるならば、その市場の変化や、表面的には充足されているけれど、本当の意味では満たされていない顧客の“不満”なども、もっとも機敏に察知できるはず。この利点を活かし、大手企業が既存市場の中や周辺にある新たなニーズを、新たな方法で解決することでビジネス化を図るのがこのパターンです。「新たな方法」を満たすために、社外の新たなパートナーと連携するという考え方も重要になります。

④ 新市場ヨコ展開型
大手企業が自ら築いてきた既存市場で得た技術やノウハウを活用し、海外を含む別の市場にヨコ展開するというものです。富士フイルムがフイルム製造で蓄積した技術を化粧品やヘルスケアビジネスに応用したのが典型例と言えるでしょう。この場合、大手企業が新たに進出する市場のインサイトを理解しているわけではありませんので、それを知るパートナーを獲得するのも有効です。海外に進出する際、ローカルのニーズを掴むために現地の企業と連携する形をイメージするとわかりやすいと思います。

⑤ シェア拡大型
既存市場の将来にリスクがあるから新規事業に挑戦するとは言うものの、大手企業の既存事業にもまだまだやれることはあるはずです。ビジネスモデルを変革するまではいかなくとも、新たな技術や概念を導入し、付加価値を高めていくというのは、考慮すべき選択肢だと思います。一例を挙げるとZOZOTOWN。アパレルのECというモデルは変えず、ZOZOSUITEやZOZOMATという新しいテクノロジーの導入で付加価値を高めています。

⑥ 既存事業の課題解決型
5に似た形ですが、こちらは付加価値というよりも、目の前にある課題を新たな技術や概念を導入することで解決するという考え方。技術的課題の克服や、オペレーションの改善等、既存事業の利益率向上や寿命延長を狙うようなものです。事例としては、ボーイング社が東レの炭素素材を用いて機体の軽量化を図ったものが挙げられます。

いずれのパターンも、新しい要素を加えるときに「社外」というキーワードを意識することが重要です。もちろん、付加すべき要素が社内から見出されることもありますが、外部に目を向けたほうがより広く、そして早く入手できる可能性が高いことは認識しておいたほうがいいでしょう。

なぜイノベーションの種類分けが必要?

このような整理が非常に重要だとBASE Qでは考えています。なぜか。それは、イノベーションを進めるスピードと確度を高めるのに極めて有効だからです。

日本の大手企業の場合、「イノベーションに取り組め」「新規事業をやれ」という話はだいたい、トップダウンの形で降りてきます。そして現場の人たちが動き始めるわけですが、「イノベーション」「新規事業」という言葉の定義が曖昧なままだと、なんとなく①のブルーオーシャン型をイメージしてしまったり、逆に「すぐにできることに取り掛かろう」と考えて⑥の課題解決型を意識してしまったり、人によって受け止め方が変わってしまいます。経営層が①をイメージしているのに⑥のアイディアを持っていっても「何をそんなに小さいことを」と言われてしまうでしょうし、逆の場合は「そんな大風呂敷の前に、やれることをやってくれ」と言われるのがオチです。

私の過去の経験でも、当初は「斬新さ」「革新的」といったキーワードが飛び交い、それを意識した検討が進められてきましたが、経営層の考えを探っていくと、じつは「眠っている自社の資産の再活用」という課題に対して強い想いがあることがわかってきました。結果、それまで行われてきた検討の多くはお蔵入りし、活かしきれなかったこともあります。
最近は「DX」という言葉も多用されていますが、これも新規事業を生み出すためのDXなのか、既存事業をアップデートさせるためのDXなのかという観点が欠けていると、社内の議論がズレてしまう可能性が高いので要注意です。

また、パターンによって難易度や克服すべき壁は異なりますし、それゆえに乗り越え方も変わってきます。
例えば①のブルーオーシャン型や②の注目市場チャレンジ型の場合、なぜその大手企業で取り組むべきなのかという意義や必然性のレイヤーで躓くことが多いので、取り組む中でそこを重点的にケアしていく必要が出てきます。パターン分けを意識することは、方法論の選択にも影響してくるわけです。

イノベーションの種類を意識してアイデア構想に幅を!

アイデアを考える際は、ある程度「縛り」を設けてあげることで思いつきやすくなります。一見、「どんな方向性の新規事業にするか」を決めてしまうことは、可能性を捨てているように見えるかもしれないですが、この「縛り」を設けることで、アイデアが生まれやすい状態へ近づき、数と質のクオリティが上がってきます。
「イノベーションの方向性」は、どのテーマにもあう6つの「縛り」であり、あらかじめ理解認識しておくことで、新規事業を検討する際の思考の幅を広げやすくしてくれます。
会社にとって今必要なイノベーション、そして適したアプローチはどれなのかを検討初期に仮説ベースで良いので設定し、進めていくうえで本当にこのイノベーションの領域で良いかを再確認する、行ったり来たりの往復もしながら、アイデアの幅と深さ、そして必要性について検討してみてください!

<プロフィール>

梅宮さん小

梅宮良輔 うめみやりょうすけ
株式会社電通デジタル Planner
大阪大学大学院を修了後、電通に入社。
その後、電通デジタルへ出向し、主にデジタルを絡めた戦略プランナーとして、既存サービスから新規事業まで、様々な領域でのマーケティング業務に従事。学生時代からルールづくりを得意とし、教育用カードゲームやワークショップの制作・企画なども実施。


「新規事業を企てる」って、とても楽しいことだと思うんです。​ 肩のチカラを抜いて、​「新しい事業をつくるということを“楽しむ場所”をつくってみよう!」​ ということでBASEQの情報発信プラットフォームとして​「Qスタ!」を立ち上げました