「かいだ・若新のやわらかい新規事業妄想Vol.1」 「新しい」というファンタジー 〜「新規事業」ってなんなんだろう
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「かいだ・若新のやわらかい新規事業妄想Vol.1」 「新しい」というファンタジー 〜「新規事業」ってなんなんだろう

皆さん!こんにちは!! 「Qスタ!」所長のかいだです。

「新規事業を企てる」って、とても楽しいことだと思うんです。
肩のチカラを抜いて、「新しい事業をつくるということを“楽しむ場所”をつくってみよう!」というスタンスでこの「Qスタ!」をはじめました。

そのフラッグシップイベントである「かいだ・若新のやわらかい新規事業妄想」。明るく、楽しく、ゆるく、「新規事業妄想」について5回に渡ってだべって行きたいと思います。

全5回のテーマ

1.「新しい」というファンタジー
  〜「新規事業」ってなんなんだろう ?
2.「妄想」と「アイデア」のはざま
  〜「アイデア」を生み出すってどうやってやるの ?
3. 「具現」というファンタジーの向こう側
  〜アイデアをカタチにしていく「仲間」「工夫」
4.「大いなる力」を手に入れて
  〜上司やパトロンを「口説く方法」
5. 「クエスチョン」を極めると
  〜新規事業を生み出す者としての「心がまえ」

お話をさせていただくのは、電通のStrategistでありBASEQの伴走ビジネスデベロッパーである戒田信賢。
そして、慶應義塾大学の准教授であり様々な事業を立ち上げているプロデューサーの若新雄純。

記念すべき第一回は、BASEQの事業責任者である三井不動産の光村氏をゲストとしてお迎えし、議論を進めました。
本編の全体は、下部のYouTubeにてぜひご覧いただければ幸いです。

「新しい」というファンタジー

そもそも今なぜ多くの会社が新規事業に取り組んでいるんでしょうか。

多くの企業が既存事業一本足打法の限界をお感じになっている中で、
「次の時代の新しい収益源を作ろう!」という掛け声のもと、新規事業プロジェクトを進めている組織が多いと思います。

コンサルタントやプロデューサーの仕事をさせていただいていると、
「新規事業」や「新規プロジェクト」に携わる方々と多く接点を持たせていただく機会があります。

そうした方々と多くお話をさせていただくと、
みなさん大きなプレッシャーの中で、とても真面目に取り組まれている方が多いなぁという印象を受けています。
お話を伺いながら感じることがあるんです。
「新規事業ってもっと楽しみながら考えて良いものなんじゃないだろうか?」
「新規事業ってもっと”自由”なんじゃないだろうか」と。

そこで、第一回目のテーマは「新しいというファンタジー」と題しまして、
【新規事業って一体なんなのか?新しいって一体どういうことなのか】についてお話をしてみました。

新規事業とは「実験」。良い結果も悪い結果も、とても重要な成果である。

新規事業プロジェクトに関与されている皆さんは、やっぱり「新しい収益源を早く作って欲しい」ということを企業や組織から求められているんだと思います。

もちろん誰しもが新規事業を通じて「良い成果」を出したいと考えているわけですよね。
その上で、言葉遊びではないのですが「良い成果」とは一体なんなのか?という疑問が出てくるわけです。

まず確認したいのですが、”新しいこと”に取り組めば、必ず「結果」が出るわけです。
もちろん新規事業プロジェクトも例外ではなく、「良い結果」であれ「悪い結果」であれ、取り組んだ【成果】として必ず「結果」が出てきます。

当然のことながら、新しいことに取り組んでいるのだから、すぐに「良い結果」が出るわけではないですよね。
むしろ「悪い結果」が出るほうが多いのだと思います。
でも、そんなの当たり前じゃないですか。新しいことってそんなにうまく行くことなんてないですよね。
我々も多くのプロジェクトに関与させていただいた中でも、やっぱり「悪い結果」が出ることの方が多いわけです。
でも、その「悪い結果」というのは、文字通り、本当に”悪いもの”なのでしょうか?

ここで思うことがあります。
新規事業プロジェクト担当者は「良い結果を出すこと」に囚われすぎていないだろうか、と。

そこで、ちょっと視点を変えて考えてみたいと思います。

「実験」というコトバがあります。学生の頃、例えば理科の授業なんかでよく実験をしましたよね。
その実験。やってみると必ず結果が出てきます。

その時、学校の先生と話をしながら、「次回はこうしたら成功するかな?」とか「もう少しあそこを変えておいたらもっと良い結果が出たかもね!」とか多くの学びを得るわけですよね。

理科の実験に限ったことではなくて、いろいろな新しい取り組みというのは、そうやって失敗を繰り返して、今までの社会や世界は作られてきていると思うんです。
なので、失敗や悪い結果というものに対して「これも重要な成果なんだ」「新しい挑戦という実験をしているんだ」という意識を持つことはとても重要なことなのではないでしょうか。

「悪い結果」というコトバを使うと、その言葉尻だけではネガティブに聞こえるかもしれません。
でも、新しいことを始めるというその営みから、「あ、これをやったらダメなんだ」とか「こういう風にやると失敗するんだ」と言ったような「新たな学び」や「発見」が必ず得られている。
「良い結果」だけに縛られると、実験によって得られるとても重要な「新たな学びの機会」「発見の機会」が損なわれてしまうんです。
新しいことにチャレンジした「結果」から、そのプロセスによって出てきた学び・発見を、”ポジティブな価値”として捉え直すことがとても重要なのではないかと、思うわけです。

つまり、「良い結果」も「悪い結果」も、その新しいチャレンジから得られたとても重要な「成果」なんです。
もっとポジティブに楽しく、その新規事業という実験に取り組んでいけたら、良いのではないでしょうか。

「解釈」を変えれば、新規事業は とても“価値ある・楽しい機会”になる!

冒頭にも申し上げましたが、もちろん企業や組織は、「新規事業」を通じて次代の儲かるビジネスを創りたい。
その目的はみんな重々理解しているわけなので、新規事業担当者の方々にとって、そのプレッシャーは計り知れないものなのかもしれません。

ですが、そのプレッシャーを楽しむ方法はないものか?と考えたりもします。

「解釈を変える」というコトバは、無責任に聞こえるかもしれません。
でも先ほどのお話のように「良い結果も悪い結果も、重要な成果」という風に解釈を適切に持つことができれば、より前向きに取り組むことができますよね。

さて、先ほど言及した通り、新規事業担当者の皆さんは「良い結果」に対する強いプレッシャーを感じていることが多いと感じています。
そこで、このプレッシャーを前向きに”解釈”し直すことはできないだろうかと思うんです。

多くの新規事業担当者は、会社からの「新しい儲かるビジネスを作る」というとても大きなお題をもらってお仕事をされているわけです。
多くの企業が、なかなか一本足打法から抜け出せないと言った課題感を持っている中で、有望な方や、転職者などのちょっと変わり種の方をこうしたプロジェクトや部署にアサインして、この新規事業プロジェクトを進めていると思います。

「会社」「組織」を主語にすると、やはり、1日でも早く新たな収益源を作りたい。株主にもちゃんと伝えないといけないし、「新しい挑戦」をキーワードにリクルート活動にも活用したいと思っているわけです。この会社・組織の危機感であったり課題認識を否定するつもりは全くないのですけれども、その危機感を「過度なプレッシャー」として「新規事業担当者」が負い過ぎてしまったら、「良い結果」に囚われ過ぎてしまい、自由で前向きな取り組みが阻害されてしまうかもしれません。

では主語を「個人」としてみるとどうでしょう。

新規事業プロジェクトにアサインされるような方は、「アイデアマンで、前向きで、新しいことを作れそう!」とその能力に期待されている人がほとんどだと思います。
「良いよな、君は。楽しそうな前向きな仕事ができて。」と言ったようなことを同僚の方から言われることもよくあると思います。
ちょっと独善的な見方かもしれませんが、こうした同僚のコメントの通り、新規事業担当者はとても恵まれた仕事をする機会を会社からもらうことができていると思うわけです。

社内でも「稀有な人材に与えられる贅沢な機会」ですよね。社会の状況を推し量りながら、自社の強みを考え、新しい事業を構想することができるわけですから。
【自分自身が考えていた新たなビジネスやアイデア】があったとしても、すべての構成員にそれを考える機会を与えてもらえるわけではないと思うんです。
「会社・組織を使う」という表現はあまり適切ではないかもしれませんが、【自分自身が考えていた新たなビジネスやアイデア】を自社・自組織が持っているリソースを活用して実現させてもらえる最高の機会を与えてもらっている、ということができるわけです。

新規事業担当者という役割を、「自らが創りたいと思っている未来」を実現していくために会社のリソースを活用しながら挑戦させてもらう贅沢な機会として解釈することができれば、とても前向きに取り組むことができると思います。

ぜひ前向きにその壮大なプロジェクトと向き合って欲しいと切に願います。

「新しい」って一体なんなのだろうか?「新しい」仕事には【正解】がない

新規事業の担当者の方々のみならず、多くのビジネスパーソンの方々とお話をすると、
「自分がやっているこのアプローチは、正しい方法なのだろうか」
「この新規事業アイデアは、正しい答えなのだろうか」といった発言を聞くことがよくあります。

ここでいう「正しい」とは一体どういうことなのでしょうか??

そもそも新規事業というもの自体、「新しい何か」を求める挑戦な訳ですよね。
その新しい何か、はもちろん良い結果が出るか、悪い結果が出るかどうかもわからないわけです。

その中で「正しい」というコトバはどういう意味を持つのでしょうか。

多くの企業は、かつて挑戦して作り出した新しい事業で収益をあげて、そこに収益モデルを作り出して、
そのある種”正しい”ビジネスモデルに基づいて事業を継続しているのだと思います。

そこには、「こうすると、こうなる」という正攻法・成功法が構築されているといっても良いかもしれません。
そこはある意味”正しい”と言えるのかもしれませんが、これまでやったことのない事業アイデアは、
その事業をローンチして進めてみない限り、
「そのビジネスアイデアが正しかったのか」についての検証はできないわけです。
そうすると、そのビジネスアイデアを検討している段階においても、そのビジネスアイデアを事業化してみる段階においても
「そのアイデアが正しいかどうか」について、誰も答えは持っていないということです。

その一方で、多くのビジネスパーソンが、自らの新しいアイデアに対して「正しさ」を求めてしまう傾向がとても強いのではないかと、感じることがとても多いんです。

「新しい」に”正しい”はない。むしろ”怪しい”。それで良いのではないか

往往にして、「新しい」事業は最初の構想段階や開始段階では、
ある意味「怪しい」ものであるといっても過言ではないかもしれません。

それはそうですよね。「過去にはない事業」を生み出す以上、これまでの正攻法からみれば「怪しい」以外の何物でもなく、やってみないとわからない。

新しい何かを探すという取り組みは、【発見】や【学び】を繰り返す「試行錯誤」。
振り切ってしまえば、「新規事業は実験であり、成否を問わずそこに学びがあれば良い」。

上長の顔色だったり、役員の”これまでの判断基準”だったり。そんな本質的ではない”正しさ”に囚われてしまっている状況で、
これまでにない文化や消費を作るような新しい事業を生み出すことは、難しいのではないでしょうか。

試行錯誤によって進んでいく以上、旧来からの「正しさ」にがんじがらめにならないように。
そう思うことができれば、新規事業プロジェクトってもっと楽しい、自由なものになると思うんです。


<執筆者プロフィール>

戒田さん

戒田信賢 かいだのぶやす
株式会社電通Strategist
京都大学大学院を修了後、EY Japan (Ernst&Young)に入所。
CSVコンサルタントとして様々なプロジェクトに関与した後に2012年電通に入社。新規事業コンサルタント、CSVコンサルタント、企業ブランディング、社会課題解決型事業に関するコンサルティングに従事。その他、電通内において、未来トレンドや社会課題に関する研究も行う。
◆BASE Q :オープンイノベーション伴走コンサルタント
◇京都大学医学研究科プロジェクト研究員
◇慶應義塾大学SFC研究所上席研究員
他、大学や社会起業家、NPOとともに、社会課題解決型プロジェクトに携わる。


「新規事業を企てる」って、とても楽しいことだと思うんです。​ 肩のチカラを抜いて、​「新しい事業をつくるということを“楽しむ場所”をつくってみよう!」​ ということでBASEQの情報発信プラットフォームとして​「Qスタ!」を立ち上げました