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「かいだ・若新のやわらかい新規事業妄想Vol.2」「妄想」と「アイデア」のはざま 〜「アイデア」を生み出すってどうやってやるの ?

皆さん!こんにちわ!! 「Qスタ!」所長のかいだです!!

「新規事業を企てる」って、とても楽しいことだと思うんです。
肩のチカラを抜いて、「新しい事業をつくるということを“楽しむ場所”をつくってみよう!」というスタンスで「かいだ・若新のやわらかい新規事業妄想」をはじめました。

今回は第2回目ということで、今夜も明るく、楽しく、ゆるく、だべって行きたいと思います。

お話をさせていただくのは、電通・BASEQの戒田信賢、そして慶應義塾大学准教授でプロデューサーの若新雄純。
第2回も、BASEQの事業責任者の光村氏をゲストとしてお迎えし、議論を進めました。本編の全体は、下部のYouTubeにてぜひご覧いただければ幸いです。

アイデア発想の起点としての「妄想」〜「アイデアは急には降ってこない」

「妄想」

早速ざらつき感のあるコトバが出てきました。
新規事業アイデアを出すのになぜ妄想が必要なの?と思う方も多いかもしれません。
ですが、妄想ってとても重要だと思うんです。

事業アイデアを考える時に、すぐにアイデア百本ノックを始めるという方もいますよね。
それ自体を否定するわけではないのですが、「上司にアイデアを出せ!」と言われて瞬時にいい感じのアイデアを出せる人なんてほとんどいないじゃないですか。

つまり「アイデアは急には降ってこない」と思うんです。

アイデアマンと言われる人っていますよね。
そういう人たちって、アイデアを発想する際の「なんらかの独自起点」を持っていると感じることが多いんです。
こだわりの視点であったり、独自の着目点であったり。あるいは確固たるビジョンであったり。

「創りたい未来」みたいなドリーム感や、「こんな現実は嫌だ」と言う圧倒的課題認識とか、曖昧なものだったりすることもあるんですけど、アイデアマンはこうしたアイデアを生み出すときの独自の視点を持っていることが多いですよね。
そんなビジョンや未来像みたいな「妄想」こそが、全てのアイデアの源泉だと思うんです。

では「妄想」って一体なんのことを指すのでしょうか?

一番イメージしやすい「妄想」に近いコトバは、「ビジョン」かもしれないですね。

「こんな未来になったらいいな!」とか「こんな社会になったらいいな!」とか。
曖昧なこともあるとは思うんですけど、そうしたビジョンめいたものがあれば、アイデアってとても発想しやすくなると思うんです。

仮説にはなりますけど、一度、「妄想」と「アイデア」と「事業」というものの関係性を整理してみたいと思います。

Qスタ!イベント記事

未来を妄想して
その未来を実現するためのアイデアを着想して
アイデアを形にする事業を構想する。

とてもシンプルな整理なんですけど、アイデアを着想するには、まず「どんな未来を創りたいのか」について妄想するというのがとても重要なのだと思うんです。

妄想って一体なんなの? 〜簡単には実現できない未来

例えば「学年のアイドル!憧れのあの子と付き合いたい」という妄想をぼくら中2の時にはあったわけですよね。
そんな妄想を持ちながら、どうしたらそれが実現できるのかに想いを巡らせ、いろいろなアプローチを考える。
その飽くなき妄想が、僕たちのありったけのアイデア発想の源泉になっていました。まさに、執念でアイデアを絞り出そうとしていましたね。

「現段階では実現できそうにない未来」のことを妄想と呼びたいですね。
「実現できそうな未来」だったら、それを実現するための方策を企画すればいいだけじゃないですか。
その方策って「アイデア」というよりも「プラン」に近い。

例えばですよ? 「透明人間になりたい!」は妄想ですよね。
だって普通に考えたらどうしたらいいかわからないから。
だからその妄想を実現するためにアイデアが必要になってくると思うんですよね。
そこで「なんとかなんねぇか!」と執念を持って考えていくのがアイデアだと思うんです。

「妄想」という言葉と「アイデア」という言葉の関係性を改めて整理しようとすると、
「妄想という「目的」を実現するために、アイデアという「手段」を考える」という風にも言えるのではないでしょうか。
目的がないのに手段を考えたってその手段は機能しないですよね。

だから「アイデアだけを出せ」と言われても、とても難しいんだと思います。
逆に「目的(妄想)」があれば、アイデアを出すときに迷子にならない。
さらに言えば、アイデアは「妄想を叶えるための手段」に過ぎない。「妄想なきアイデアはない」とも言えるのではないでしょうか。

妄想のやり方 〜究極のインサイドアウト。そしてインプットとアウトプット

とはいえ、急に「妄想してみて!」と言われても、妄想をするって人によっては結構難しいと思います。
そういうことに慣れている「妄想家」みたいな人って結構いるとも思うんですが、いざプロジェクトなんかで進めようとすると難しかったりするんですよね。

「目的という名の妄想」をしようとした時、例えば、こんな問いを設定することもできると思います。
①【あなた】が今いる組織に入った理由は?何を実現したくて自組織を選びましたか?
②【あなた】は、「どんな未来」を実現したいと思いますか? また、それはなぜですか?
③【あなた】が描いた未来を実現するためにどんな事業を生み出すことが必要だと思いますか?

とても重要なのは「あなたはなぜ?」という風にあくまでも主語を「私個人」におく事なのではないかと。
日本人は欧米人と比較すると、この「自由に自分がどうしたいか」を表現するのが苦手な気がします。
何か個人的な想いを持ったとしても「これって私だけなんじゃない?」と思いが邪魔をして発信を控えてしまう。

みんなそこに躊躇しちゃうじゃないですか。でも「個人・自分に対しての問いかけ」ってすごく大切で。
エゴと言われればそれまでかもしれないけど、熱量とか欲望とか、それを言語化して行くのが妄想のやり方なんだと思うんです。
自分自身の言葉で「自分自身を主語」にして出す想いが一番強いと思いませんか?

そうすると、その「妄想の質」を高める方法って何かないのか?とも思うわけです。

いい妄想をするためには、良い「インプット」が必要。
例えば、未来キーワードとか、世の中にある社会問題とか、そういう情報を自ら取りに行って、
自らが感じるエゴとか熱量とか欲望とか、つまりは自らの妄想を探す作業ってとても重要だと思うんです。
怒りだったり原体験だったり。違和感のある情報をインプットすると、妄想の質が高まると思うんです。

インプットの次に必要なのは「アウトプット」ですかね。
妄想していることを他人に話すのは恥ずかしいと思う方も多くいらっしゃると思うんですけど、
妄想トークって他の人と話をすると盛り上がるじゃないですか。「へー、そんなこと考えてるんだ!」って。
そういう話をする人って、人を惹きつけることもできると思うんです。妄想を語れる人って魅力的じゃないですか。妄想を語ると、仲間が増えるんですよ。アドバイスももらえるんですよ。
「アウトプット」をすることを通じて、リアクションやフィードバックがもらえる。自ずと「妄想の質」も上がっていくとおもうんです。

「アイデアの出し方」:自分と向き合う、仲間とつくる、ワクワクつくる

アイデアというものは、「妄想した自分のビジョン(目的)」を実現するために、
何が何でも生み出さないといけない「手段」である、という風にここまでお話をしてきました。

その上で、アイデアってどういう風に生み出したらいいのでしょうか。

いわゆる一般的なアイデアの出し方って代表的には4つくらいあると思うんです。
これはこれで正攻法的なアプローチだと思っているんですけれども。
「①創業理念からのアイデア発想」
「②自社の経営シーズ起点の事業発想」
「③未来起点の事業発想」
「④社会問題起点の事業発想」

上記の4つの方法は、「アイデア発想の型」として参考にはなるのではないでしょうか。

設定した「妄想(目的)」を設定した上で、「自分自身と向き合い続けながら、アイデアをとにかく出してみる」
というのは原始的だけど、やはり重要なプロセスだと思います。
自分が描いた妄想を実現するための手段としてのアイデアを、例えば「強制発想法」みたいな方法を使うのもありですよね。
無理くり、全然違うものと組み合わせてアイデアを考えてみるみたいな。

でも、一人で考えるのはやはり限界もあるかと。
だから、妄想を他人に語って「一緒に叶えてくれそうな仲間を集めること」も有用なアプローチ。
オープンイノベーションというアプローチも、アイデア発想には有用だと思います。他の企業であったりスタートアップと一緒に考える。
スタートアップの方々は、パッションがあるし、マネタイズについてもちゃんと考えていたりするから、そう行ったプレイヤーと一緒にアイデアを考えて行くというはとてもリーズナブルかもしれないですね。

妄想は一人で始められる。でもアイデアは人と人との相互作用の中から生み出されることの方が多いと思うわけです。
映画づくりだってそうですよね。いろんな分野のクリエーターが集まって、やり取りの中で作り出されて行くんですよね。
壁打ち相手を使って、アイデアを一緒に考えて行ったり、思いついたアイデアの解像度を高めて行くこともできるわけです。

あと最後に、「ワクワク」というのはとても重要なスタンスなのではないかと思うんです。
新しいアイデアを「否定しない」っていうのも重要。否定されるとワクワクしないじゃないですか。一緒に育てていけばいいのに、日本の仕組みっていつも途中で評価を始めちゃう。
でも評価を気にし始めると面白い発想が出てこない。だから評価ではなくて「前向きな質問」がいいと思うんです。

そうしたマインドセットを前提とした上で、「ワクワクするか」を評価基準に入れるのもいいかもしれませんね。
儲かるかどうかの評価の前に、心のハードルを下げながら、ワクワクするかを重要な判断基準として掲げるのも一つの方法かもしれない。

みんなで妄想しながら、ワクワクするアイデアを発想する。そうすれば、新規事業プロジェクトってもっと楽しい、自由なものになると思うんです。


<執筆者プロフィール>

戒田さん

戒田信賢 かいだのぶやす
株式会社電通Strategist
京都大学大学院を修了後、EY Japan (Ernst&Young)に入所。
CSVコンサルタントとして様々なプロジェクトに関与した後に2012年電通に入社。新規事業コンサルタント、CSVコンサルタント、企業ブランディング、社会課題解決型事業に関するコンサルティングに従事。その他、電通内において、未来トレンドや社会課題に関する研究も行う。
◆BASE Q :オープンイノベーション伴走コンサルタント
◇京都大学医学研究科プロジェクト研究員
◇慶應義塾大学SFC研究所上席研究員
他、大学や社会起業家、NPOとともに、社会課題解決型プロジェクトに携わる。

「新規事業を企てる」って、とても楽しいことだと思うんです。​ 肩のチカラを抜いて、​「新しい事業をつくるということを“楽しむ場所”をつくってみよう!」​ ということでBASEQの情報発信プラットフォームとして​「Qスタ!」を立ち上げました